『戦後70年に当たり、宮内庁は1日、昭和天皇がラジオを通じて国民に終戦を伝えた「玉音放送」などの録音原盤と音声を初めて公開した。これまで出回っている音声より鮮明で、重大な発表に臨む昭和天皇の息づかいも感じられる。同庁は昭和天皇が終戦の「聖断」を下した皇居内の地下施設・御文庫(おぶんこ)付属室の写真や映像も公表し、いずれも同庁ホームページに掲載する。』
※記事引用元 日本経済新聞

公開されたのは、1945年8月14日に作成された詔勅を15日に昭和天皇によってレコードに吹き込まれた『玉音放送』のレコード原盤5枚、他1枚の6枚であり、宮内庁によって厳重に長年保管されていたとのことです。

この『玉音放送』は昨年12月に専門家の協力のもと、音声のデジタル録音を行った。放送の途中に聞こえるパチパチという音や天皇の息づかいまで鮮明に聞こえるという。

■ 軍服姿で録音
 玉音放送が録音されたのは、放送前日の8月14日深夜になる。録音は皇居内 宮内省内延庁舎2階政務室(現 宮内省庁)で行った。
録音は深夜11時25分に開始された。昭和天皇は軍服姿で録音されたという。録音時には宮内相 石渡荘太郎 、藤田尚徳 侍従長
が側で立ち会ったという。録音は複数回行われた。



※動画  KYODO NEWS

■ 原盤を奪おうとした動きも
 
玉音放送の録音の裏では録音した原盤を奪おうとした動きもあったそうです。
 御前会議が終了した後も陸軍の一部には、ポツダム宣言受諾に反対、徹底抗戦を唱えていた人もいたそうです。
 この放送を天皇から国民に伝えることは、大変な影響があり敗戦の象徴になりえるものとして、放送されることを恐れ、原盤を奪うことを目的としたクーデターを起こしたそうです。(この一連の出来事は『宮城事件』として知られています。)
 事件が起きたのは14日深夜から15日未明。降伏に反対していた陸軍将校が皇居に乱入し、近衛師団に原盤を探すように命じたという。
無論、この指令は偽の命令だったという。近衛師団の一部は陸軍将校に殺害されたという
この『玉音放送』の音源は宮内庁のHPで公開されている。


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