神奈川県内の個人宅で夏目漱石の小説『道草』の直筆原稿が見つかりました。見つかった原稿は、約100年近い間行方不明となっていました。
神奈川県の個人が所有していた。『道草』は唯一の自伝的小説とされ、主人公健三と養父の相克を通して現代人のエゴイズムや苦悩を描く。15(大正4)年6月〜同年9月に朝日新聞に連載された。
同館展示課の鎌田邦義さんは「執筆当時の漱石は体調がすぐれず、死期を意識していたのではないか。全編にわたってえん曲的な表現が特徴で、一言で済むことを黒く塗りつぶして変更していく過程が自筆原稿から分かる」と話している。
記事引用 : 毎日新聞
漱石研究に大きな影響も
発見された原稿は、全102回のうち、『十六』、『十七』に部分にあたり、製作過程における加筆や削除跡も見つかりました。自身の過去をもとに作成されてることから、製作過程や当時の心理状態など今後の研究に大きな影響をあたえそうです。加筆跡が確認できるのは、「思慮なし」、「自然」などの箇所とのことで。
3月26日からは神奈川県近代文学館で展示されます
出典 : 神奈川近代文学館
今回発見された原稿は、3月26日より神奈川県近代文学館で開催されている特別展『100年目に出会う 夏目漱石』にて公開されております。今年は漱石没後100年ということもあり、特別ドラマの放送や英国の夏目漱石記念館の閉館決定など漱石関連でいろいろな動きあるようです。
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